M10-Dも辞めた

LEICA M10-Dを売却

購入のきっかけ

写真に興味を持ち、観賞したり撮影・現像したりを数十年間続け、ライカのデジカメを手に入れたのはちょうど3年前の4月だった。

ライカのフィルムカメラは以前から所有していて、手触りや使用感の良さからデジタルも一度は手にしたいと思っていた。その矢先、中古でM10-Dが出ているのを見つけ、迷いに迷って購入した。

最高だった使用感

背面モニターがないのが最大の特徴であるこのカメラは、想像したとおり撮影フィーリングが最高だった。

静かで上品なシャッター音はM10-P同様にあちこちで褒めたたえられているとおりだ。加えて、フィルム巻き上げレバーに似せたサムレストを引き出したり戻したりするときの「チッ」というクリック音が自分にはとても心地よく、所有欲を大いに満足させてくれた。

徐々に重荷に

撮影の楽しさを存分に味わえるはずだったが、次のような理由で次第に持ち出す機会が減っていった。

  1. 高価なカメラを雨天や砂が混じった風にさらすのは避けたかった
  2. 気軽に持ち出すにはやや大きく、重かった
  3. 「デジタルライカ 故障」で数多くヒットするような事態が生じた場合に、自分には対処できる自信がないことに気づいた

退職を機に手放すことに

私にとって特に大きな理由は③であった。

デジタルのライカを所有し続けるには、定期的なメンテナンスや修理に耐えられる余裕がなければならない。さらに、修理不可能な状況にも諦めがつく精神力と経済的余力が必要である。

これを満たしていないことに自分は気づいた。

退職というライフイベントを迎えた今、その思いはますます強くなり、ほとんど迷うことなく売却を決めた。

この先の機材

おそらくこの先、デジタルのライカを再び所有することはないだろう。私にとってライカはフィルムカメラ1台で十分なのだ。

今後、デジタルカメラは、故障しても狼狽することのないような身の程にあったものにするつもりだ。そして、手元にある数本のマニュアルレンズを付けて取り続けることになるだろう。

3年間楽しませてくれたM10-Dには、新しいオーナーの下で活躍してほしいと心から思う。

LEICA M10-d, Summilux 50mm
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