退職を決意したとき、職場にその意向をいつ、どのように伝えるべきか悩まれる方は多いことと思います。特に、早期退職を視野に入れている中高年の勤め人(公務員や会社員)にとって、伝えるタイミングは非常に重要な判断となるでしょう。
本記事では、ブログ主(FREEDIA)が中央省庁勤務時代に早めに退職の意向を伝えた自身の経験をもとに、そのメリットについて整理してみたいと思います。
退職意向を伝えた時期と背景
筆者が勤めていた中央省庁では、例年4月と7月頃の年2回、大規模な人事異動が行われていた。筆者自身は令和6年夏の異動対象となり、異動日当日に人事担当の上司へ退職の意向を伝えた。併せて、退職のタイミングを令和6年度末(令和7年3月末)とする考えも伝えている。
その時、人生を大きく左右することを話しているとの自覚があり、さすがに声がうわずった。
ただ、この時点では、翌年度4月の異動案も固まりきっておらず、比較的柔軟に対応できる時期だったこともあり、上司はFREEDIAの意向を自然に受け止めてくれた。
退職意向を早めに伝えることのメリット
筆者の体験を通じ、退職意向を早めに伝えることには以下のような利点があったと感じている。
1. 人事担当への負担を最小限に抑えられる
FREEDIAはこの点を一番気にした。自分の職制上、人事担当の近くで業務に携わることが何度かあり、退職などの急な申し出があった場合の彼らの苦労を知っていたからである。
人事の理想は、限られた人的資源でパフォーマンスが大きくなるよう、かつ、各職員の将来のキャリアパスも見据えながら、各ポストに人を配置していくものである。また、各職員の事情も最大限かなえようとしながら行うものであるため、これら理想に近づけようと思えばそれだけ、ガラス細工を組み立てていくような繊細さを持った作業になる。
直前の退職希望の申し出は、このガラス細工を大きく壊してしまう。
人が一人抜ければ、そこをだれかで埋めればよいといった簡単な話ではなく、別のところから適切と思われる人を充て、その空いた穴を別のところから・・・といった作業をやり直さなければならない。
自分のせいでこのようなことが生じるのが嫌だったので、異動案が形になるよりもなるべく前に退職意向を伝えることにした。
2. 気持ちの整理が早くでき、業務に集中できる
退職意向を上司へ伝えるという大きな決断をするのは、相当に勇気がいる。だが、これをせずに職場へ伝えるのをいつまでも逡巡していると、目の前の業務に集中できなくなる恐れがあった。
また、配属されたのは比較的多忙な部署であり、次々と生じる課題に対応しているあいだに、意向を伝えるタイミングが先延ばしになる恐れもあった。
伝え終えた後は気持ちが切り替わる。おかげで残された時間を使ってしっかりと業務に向き合うことができた。
3. 引き継ぎがスムーズに行える
退職の意向が早く伝わることで、上司や関係者も「この業務は次の担当者へ引き継ぐ」という前提で動くようになる。結果として、自分一人では終えきれない長期案件も無理なく整理ができたように思う。
一方で、お前がいるときにここまでやっておけといったこともあった。そういったときでも、霞でこういった仕事をするのも最期かと思い、ありがたく執務に精を出すことができた。
4. 異動後に誤解を招かずに退職できる
筆者の場合、異動日当日に退職の意向を伝えたことにより、「この部署の仕事が嫌で辞めたわけではない」というメッセージを明確に伝えることができた。これは、周囲に対する配慮としての意味合いがあった。
まとめ:早めの退職意向伝達は、円滑な退職の第一歩
退職意向を早めに伝えることは、気が引ける面もあるかもしれません。しかし、関係者の負担を軽減し、自分自身も気持ちよく業務に集中するための有効な手段となりうると考えます。
もちろん、すべての職場にあてはまるとは限りませんが、筆者のように異動のタイミングに合わせて伝えることで、スムーズな対応が可能になる場合もあるでしょう。
次回は、退職意向を早めに伝えることの「デメリット」などについてお話ししたいと思います。
本日もご覧いただきありがとうございました。