はじめに
FREEDIA(ブログ主)は、退職後少し間をおいて、士業の事務所を開業しました。
民間企業にお勤めの方で、幸運にも特定の条件がそろえば、退職後に過去の顧客の引き継ぐことができるケースがあると思います。(もちろん競業避止義務など果たしたうえでの話)
FREEDIAは国家公務員であったためそういうわけにはいかず、また、公務員に対する数々の規制を踏まえれば、ほかの職以上に慎重さが求められます。当時知り合った企業の方を営業活動に巻き込めば、最悪の場合相手にも迷惑が及んでしまいます。
そこで、顧客獲得のために始めに手掛けたのが、手書きによる手紙での営業活動です。
近年、メールやチャットといったデジタルコミュニケーションが主流となる中、手書きの手紙が持つ付加価値に期待を込めた取り組みです。
当面の目標として50通は発出してみようと目標を立てました。
今回は、手紙を書くのにボールペンから始め、結局万年筆にたどり着いたという話です。
愛用のボールペンもご紹介したいので、2回に分けてお届けします。
国家公務員時代の筆記具
ヒラ時代
前職時代、何か考えたりメモを取ったりする際には、手書きが主流でした。
15年ほど前までは、自他ともに備品のシャープペンシルを利用するのが普通だったように思います(少なくとも管理職でない者は)。それがいつの間にか、シャーペンが備品からなくなり、FREEDIAは私物のボールペンを使うようになります。
文房具にこだわりはありませんでしたが、安い文房具はすぐ紛失してしまいがちです(少し見当たらないと探す労力を惜しんで代用品を使い始める)。
やがてたどり着いたボールペン
さすがにもったいないと思い、自分にしては奮発して多機能ペンを買い求めました。それが「三菱鉛筆 多機能ペン ピュアモルトプレミアム 4&1ブラック」です。
これを手に入れたところ、結局現在まで、10年以上使い続けています。
ジェットストリームのインクが大変書きやすいのと、使用するほど木製のグリップ部分に艶が出て、どんどん愛着がわいたというのが理由です。
グリップ部分の経年変化は自分だけの持ち物という意識を高め、今はあめ色に輝くようになりました。美しいと思っているのはFREEDIAだけでしょうが…。
ここにその四態をご紹介します。


手紙書きにボールペンを使うこと
手紙の作成作業は、時間をかけて考えた内容をワープロへいったん落とし込み、それを便せんに書き写す手順で進めることにしました。明朝体の文字もお手本にできると考えてのことです。
最初に使用した筆記具はもちろん、この10年以上愛用しているボールペンです。
しかし、それはすぐに変更を余儀なくされることになります。
無駄な力が入ってしまう
営業の手紙は便せん2枚にわたり、誤字は許されません。仕上げるにはそれなりに集中して筆記する必要があります。
熱心に書き続けると、手紙を書き慣れていないこともあってか、ペンを持つ手にかなりの力がいつの間にか入ってしまいます。
その力は中指の第一関節のペンの軸の当たる部分がしばらく凹むほど。
そして一通書き終える1時間ほど後には、くたくたになってしまいます。
中指を凹ませたのは小学生時代以来かと思いつつ、思わぬ苦行に、これで何通も手紙を書くのは不可能かもといった弱気な考えが頭を占めるようになります。
そのほかのデメリット
ボールペンを使うことのデメリットとして、字をきれいに見せることが難しいことや、腕や手の皮脂でインクが乗りにくくなることも挙げられるでしょう。
字がうまくないFREEDIAは、「とめ」や「はらい」を丁寧に、そして全体のバランスをうまく使って、よく見ると下手だが、一見すれば汚くないような字に仕上げることを目標にしています。
しかし、ボールペンで線の強弱をつける技術がなく、細い線でバランスを整えるのも難儀して、人にお読みいただく文字にするにはかなり厳しい現実がありました。
まっすぐ線を引こうとしても、無意識に入れている妙な力と相まって、細かく震えたような線になるのにも難儀しました。
それと、書き進めて便箋の下の方(いま横書きの便箋で執筆中)に達すると、字がかすれるようになるのに気づきました。おそらく、手や腕の皮脂が便箋に付着し、油性インクの乗りをわるくしているのでしょう。
かすれが酷いときには、線を重ねなければならないこともあり、そこだけ不自然に濃くなったりして、これもいただけません。
腕や手が便箋に直接つかないよう不要な紙を挟むようにもしましたが、どうしてもうまくいかないこともあり、気に入った仕上がりにすることがとても難しく感じられます。
万年筆に移行した
思わぬ苦行やデメリットに、いつしか別の筆記具を探すようになりました。そして万年筆にたどり着きます。
今はこの文具が手紙を書くのに最適ではないかと思うようになっています。
この件については次回にお話しさせてください。
おわりに
愛用のボールペンであっても、人に見せるための文字を書くには適さないことが判明しました。FREEDIAにとってボールペンは、自分に向けた文字を書く道具なのです。
そして、万年筆が(下手なりに)手紙用の筆記具としてふさわしいことにやっと気づいたという話でした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
(アイキャッチ画像はGeminiに「営業の手紙を自宅で必死になって書いている元公務員のイラストを、水彩画調で生成してください。」とお願いしたもの)