国家公務員の身分を断ち切れたのはなぜか

 今回は、ブログ開設当初の初心に立ち返って、退職に関する話題をつづりたいと思います。
自分がなぜ公務員を早期退職することができたかについて整理してみました。(やめる決断をした理由を書いたものではないことにご留意下さい。)

あくまでも50代半ばという前提付きのN=1の事例として、ほかのエントリーにも増して一般化せず、冷めた目でご覧いただきますようお願いします。

身分「公務員」を断ち切れた12の条件

なぜ、「安定した身分」を断ち切ることができたのか。一言でいえば、多くの条件がそろったからということになる。

条件1 残債がなかった

家のローンを払い終えていた。ほかにも借金がなかった
これが一番大きかった。幸いなことに、負債を抱えつつ収入の道を自ら閉ざざるを得ないほど、公務員の職場で追い込まれてもいなかった。

条件2 子供が社会人になっていた

これも大きい。士業といえど、いつ収入が安定するかは当然ながら全くわからない。
そういった状況下で、マンションの管理費や駐車料金、車の維持費など、定期的な支出が万単位で発生するのに上乗せして、学費が定期的に出ていくことに耐えられる財力と精神力は持ち合わせていなかった。

条件3 配偶者が自営業

かみさんは根っからの自営業者で、FREEDIAが自営業を始めることについて理解があった。
自営業者とはいえ、二人の大人が不自由なく暮らしていくには程遠い稼ぎしかないが、自営が何たるものかはFREEDIAよりはるかに理解していた。
自営業の良さも十分わかっていたからだろうか、FREEDIAが自営の世界に足を踏み入れることに全く反対せず、むしろ歓迎してくれていた(ありがたや)。

条件4 自分が家計管理をしていた

我が家全体の家計管理はFREEDIAが行っていて、かみさんはむしろ会計処理が苦手(自分の事業の経理で手一杯)だった。
資産の推移を詳しく把握しているのが自分で、かみさんはその動きについて全く無関心。
これが幸いして、無収入の状態が継続した場合のことについても、心配されることがなかった。

ただし、家計の状況にかみさんが無関心であることについて、今後どうなるかは不明。

条件5 FREEDIAもそれほど心配性ではなかった

かみさんほどではないが、FREEDIAも都合よく楽観的に考えてしまう傾向がある。

妙に心配になる事柄もあって完全な楽観主義者ではないものの、辞めた後のことを考え続けてもどうしようもなく、なりふり構わず取り組めば道は開けてくるだろう、という意識が優位になりがちだった。

条件6 営業活動に興味があった

自ら考えてあれこれと営業活動することにとても興味があった。少なくとも、失敗しても苦にならないと思った。
これは、条件5の部分的に楽観的な性格に負うところが多いかもしれない。
プライドといってよいものか、守らなければならない誇りは大切にしたいと思っているが、たとえ営業活動を断られ続けたとしても、自分のプライドに傷がつくとは思わなかった。

条件7 「公務員」に未練なし

国家公務員という地位に未練を全く感じていなかった。「感じなくなった」が正確かもしれない。

入職当初は国家公務員という身分にあこがれを抱いていた。
30年も働くと考えもいろいろと変わってきて、いつしか、国家公務員であることの執着心がなくなってしまっていた。

国のためを思って働くために、国家公務員である必要は全くない。

条件8 家族全員健康だった

自営になれば休業手当など共済組合からの給付が当然受けられなくなる。
もし自分自身に休業にまで至るような健康上の不安があれば、公務員を早期に退職することはできなかった。

また、ありがたいことに、家族全員に持病などがないため、当面の医療費の発生を気にする必要がなかった。

条件9 国内どこも人手不足だった

人材不足が叫ばれているご時世、本当に困った状況になった場合、選り好みさえしなければ、健康な体を頼りに何らかの職業にありつけると思った。

条件10 多くはないが生活資金の蓄えがあった

資産管理は完全に自分にまかされていたので、その責任の大きさゆえか、(そんなに)無駄遣いすることなく、年金支給開始年齢までの生活資金は蓄えることができていた。

条件11 特別高いポストに就いていなかった

印象論だが、中央省庁で局長級にもなれば、永田町などあちこちにしがらみができて、自分だけの都合で退職することは容易でなくなる気がする。
自分はそのようなポストに就いてはいなかった。

つまり、退職することで周囲に迷惑がかかるようなことは、皆無に等しかった。(人事に混乱をさせないように、退職意向は相当前に伝えていた。)

条件12 公務員在職中に士業の資格を取得していた

そして最後に、在職中に国家資格を取得していたことは、何よりも大きかった。
資格がなければ、仕事を辞めようとさえ思わなかったかもしれない。
それだけ、資格を取ったことで自分の人生が大きく変えることができた。

まとめ

以上、FREEDIAが公務員を辞職できたその背景にあったものを整理(羅列)してみました。

これらの条件がそろっていても、辞めたいという動機や決断がなければ公務員を続けていたでしょうし、
読者の中にはもっと多くの条件が必要と思われる方々もおられるかもしれません。

いずれにせよ、公務員を辞めようと逡巡しておられる同年代の方々の参考に少しでもなればうれしく思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

(アイキャッチ画像はChatGPTに「精神的重荷から解放されて、浮かれ顔で宙に浮かんでいる人をポップアート風に」といって生成させたもの)

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